予防とメンテナンス

予防歯科

「むし歯になっても歯医者さんで治せるから」

─ いいえ

現在の歯科治療は、むし歯を削り取った穴を人工材料で修復することで限界です。

歯が元通りに治ったわけではありません!

しかも、詰め物と歯の境目は再度むし歯になりやすくなってしまいます。

「年をとったら歯周病で歯が抜けて入れ歯になるのは当たり前」

─ いいえ

歯を失う最大の原因はむし歯と歯周病ですが、どちらも予防が可能です。

日本では80歳で一人平均7本ですが、予防歯科の先進国スウェーデンでは80歳で25本自分の歯が残っています。もちろん入れ歯を使う必要はありません。(8020運動、6424運動)

生涯ご自身の歯で生活するための一番確実な方法は、むし歯や歯周病を予防することです。ご自身の歯で生活することは全身の健康だけでなく生活の質(QOL;Quality of Life)維持、向上にも貢献できるはずです。

では、どうすれば予防ができるのでしょう?

最近は、予防歯科の分野が進み効果的なむし歯や歯周病予防の方法が確立されてきました。

予防歯科には2本の柱(セルフケア、プロフェッショナルケア)があります。

1.自宅でのセルフケア(ホームケア)

いろいろな口腔衛生グッズ

簡単に言えば毎日の歯磨きですが、ご自身でより効果的なお口のケアができるように口腔衛生の専門家(歯科衛生士)があなたのお口や生活習慣に合わせたホームケア(プラークコントロール)の方法(歯間ブラシ、デンタルフロス、フッ化物の使用etc,)を提案、指導します。

2.歯科医院でのプロフェッショナルケア

PMTC用器械

どんなに上手に歯ブラシをしても磨き残しができてしまいます。

定期的にPMTCで歯の間などご自身でケアが難しい場所のプラーク(バイオフィルム)を除去します。

同時に歯表面の着色や汚れも専用の器械と歯磨剤でクリーニングし、仕上げはフッ素入りのペーストで研摩しますのでビックリするぐらいツルツル・ピカピカになります。

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)=専門家(歯科衛生士、歯科医)による歯の機械的清掃。

本来の目的は細菌の塊のプラーク、バイオフィルムを機械的に破壊・除去することですが歯の着色、汚れもきれいに落とします。

メンテナンス

むし歯、歯周病になってしまったら予防は意味がないの?

─ いいえ

もちろん、むし歯や歯周病の治療の必要があります。簡単なむし歯の治療、歯周病治療や大掛かりな治療(インプラント治療、総合的治療)が終わったら今度は再発しないように定期的にメインテナンスする必要があります。

特にインプラント治療や総合的治療は精密で複雑な構造の補綴物が装着されていますので良好な状態を長持ちさせるためには、定期的(おおむね3~6ヶ月)な歯科医院でのチェックとクリーニングが大切です。

1.セルフ(ホーム)ケア

プラークコントロールの確認と指導。

2.歯科医院でのプロフェッショナルケア

PMTC + (に加え)

歯周病、むし歯、インプラント体、インプラント周囲の骨の状態、上部構造物の破損、噛み合わせの変化などを診査して予防だけでなく不具合の早期発見と早期治療を行います。